今年初開催に200名が参加!AI DATA Summit Tokyo (2日目)

2017年6月6日(火)~7日(水)の二日間にわたって東京大学 伊藤謝恩ホールで開催された「AI DATA Summit Tokyo」。続いて2日目のレポートをお届けいたします!


■Day2 Premium Presentation:
機械学習、深層学習、自動応答。絶対に避けられない最注目領域をリードするキーマンたちが問う「AI時代の人間の役割」

<Speaker>
データロボット CEO&共同創始者 ジェレミー・アシン
データロボット チーフデータサイエンティスト シバタ アキラ
パークシャテクノロジー 代表取締役 上野山 勝也
トランスコスモス 上席常務執行役員 緒方 賢太郎

このセッションでは、“AIファースト時代になる”と言われている未来において、AIと人間の役割はどうなっていくのか、について討論していきました。
「2045年問題」にもあるように、AIはいつか人間の能力を超えると言われています。しかし、今回はもう少し足元の話として、AI時代に向けて“人間としてやるべきこと“は何なのか、皆さんの意見を伺いました。

▼2045年問題とは
“コンピュータ技術が今のスピードペースで発達し続けると、ある地点で地球全人類の知能を超える究極のコンピューター「A・I」が誕生しその「A・I」がその後更に自分よりも優秀な「A・I」を作りあげ、更にその「A・I」が次のもっと優秀な「A・I」を作り… といった具合に「A・I」が「A・I」を連鎖ねずみ算的に作り続けて宇宙天文学数字的な爆発的スピードプロセスでテクノロジーを自己進化させ、人間の頭脳レベルではもはや予測解読不可能な未来が訪れる・・・”
(引用元 http://www.ikeda.asia/2014/02/2045.html)

パークシャテクノロジー 上野山氏は「AIの認識機能にもあるように、ソフトウェアは今や大体の環境を認識できているので、単純作業のようなものはもうAIで出来てしまいます。ですので、それ以外の部分を人間が行っていく必要があります。ソフトウェアと人間の活動の境界線をきちんと理解し、お互いに助け合っていくべきです。」と述べます。AIと人間には、明確な役割分担が必要になってくるそうです。

また、データロボット ジェレミー氏は「この先、“機械に指示を出す人間”と“機械に指示を出される人間”で分かれていくと言われているように、人間の役割は近い将来、多様化していきます。」と言います。
「そして、多様化する人間の役割を、きっとAIは理解していきます。ですが、いずれはそのAIを人間がコントロールできるようになるため、AIが全てをコントロールするのはまだまだ先の話になるでしょう。それまでは、人間がAIをコントロールして、AIの暴走を防ぐために監視していくべきです。」と未来的な視点で語りました。AIと人間が競り合うような未来が待っているのでしょうか。

しかしその一方で、同社 シバタ氏は、「何が正しくて何が正しくない、などの人間による判断はまだ必要です。AIには、相当分のデータを与えなくてはいけませんが、人間は少ないデータや経験から色々なことを学びます。この人間にしかできない“人間らしいこと“をどんどん伸ばして、クオリティを上げていくべきです。」と現実的な視点で語りました。

その”人間らしいこと“という話から、弊社 緒方は、「ボットはお客様からの質問に秒殺で回答をすることが出来ます。しかし、それだとお客様は”機械と会話”をしている気分になり、とても気持ち悪がってしまいます。ですので、あえて1秒~2秒ほどの人間らしい間(ま)をあけて回答するようにしたりもします。」と、自社のチャットボットによるカスタマーサポートのノウハウを語りました。

最後に、「最終的に何か行動をとったり物を買ったりするのも人間である、ということを考えると、このように、人間が機械に何かを教えてあげて、また機械から人間も学んでいく。そんな関係性がベストなのかなと思います。」と、弊社 緒方がAI時代の人間のあるべき役割について、述べました。  AIと人間の関係性をうまく保ちながら、お互いに成長・発展していき、さらにはお互いに思いやるようになれると、素敵な“AIファースト時代”になれそうです。

 


■Day2 Expert Session:AI 活用にはどんな社内人材が必要か?

<Speaker>
ソフトバンク株式会社 首席エヴァンジェリスト 中山 五輪男
日本IBM 理事 コグニティブ推進室長 中山 裕之
デジタルセンセーション株式会社 取締役COO 石山 洸
<Moderator>
トランスコスモス 取締役CMO 佐藤 俊介

テーマその1:人材教育

まず最初のテーマは「人材教育」です。どんな教育をすべきなのか、カリキュラムはどうしたらよいのか、などの質問がアンケートに多くあったようです。

では実際に社内のAI研修ではどんなことをしているのか、佐藤が登壇者の方々へ質問をしました。
多かった意見として、”まずはWatsonを使ってみる”という研修スタイルでした。
そこから知識の習得が始まっていく、と言います。

「まずは実際にWatsonを使ってみて、そしてこのWatsonを使えばどんなことが出来るようになるのか、をみんなでディスカッションをしていきます。そしてそのイメージビデオまで作ってしまいます。」という具体的な研修内容についての話になりました。
過去にはこの研修でのディスカッションの中から、本当にそれを実現させたこともあると言います。
その方は女性で、”AIの知識は無いけど、やる気はある”というタイプ。でもそこが成功の要因であったとのことです。
そしてその彼女も、まさしく”まずは使ってみる”というところからスタートしたと話します。

またAI研修においてセットで考えておかなくてはいけないのが、”ツール”である、という話題にもなりました。
DataRobotのようなツールがある前提での教育と、ない前提での教育では、内容も効果もまったく違ってきます。
「逆にツールを使いこなさないと、AIのエキスパートとは言えません。AIとツールのセットで教育し、それを自走させられるようになれば大丈夫です。」という意見もありました。
AIだけ、ツールだけ、の知識習得だと、人材教育も、AIの社内推進もうまく進まないようです。

このテーマから、AIの人材教育において、座学だけでなく実際にAIを使ってみること、そしてツールも同時に使いこなせるようになることが、エキスパート養成への近道だということが分かりました。

 

テーマその2:専門部署

続いてのテーマは「専門部署」です。企業にAIの専門部署を作るべきなのかどうか、議論しました。
これに対し、みなさん口々に反対意見を述べます。

「特定の人に知識を溜めておくのではなく、イントラで溜めておくべき」という意見や、「専門部署を作るからダメになる。Excelを使うようなレベルで、全員が当たり前のようにスキルを身につけていくべき。」、という意見が出てきました。
専門的な部分はDataRobotのような機械に任せればよくて、汎用的な部分は全員が習得していく、という切り分けが重要のようです。

しかし、企業の全員が知識を習得しようとすると、どうしても各部署で知識の偏りが発生してしまいます。
それを統一しないと、という考えから、専門部署が出てきたりもします。

「専門部署を作るのであれば、その部署の人が各メーカーのAIのエキスパートとなり、社内の各課題に対し、“どのAIを使って、何をするべきか” までアドバイス出来るまでにならないといけません。」と専門部署化した場合の難しさについて議論が及びました。

その後も、専門部署を作った場合のリーダーはどんな人を任命するべきか、という佐藤の問いに、「社長より頭の良い人ですね(笑)あと外から雇用するのもアリです。その場合、会社のビジネスモデルを理解している、ハイスペックなテック人材に限ります。」と、かなりハードルの高い人材が必要であることを示唆する話もありました。

企業では専門部署を作るメリットはもちろんありますが、専門部署を作らずに、全員が同じ知識レベルでいることのほうがメリットは断然大きいようです。ただそれがなかなか難しいので、どうしても専門部署を作る場合は、超ハイスペック人材が部署のトップになるべきで、かつその部署は、“社長直下”がベストポジションだという話が展開されました。

この他にも、パートナー企業の見つけ方はどうすれば良いのか、というテーマに対し「海外の有名大学が意外とコスパ良い(笑)」という話になったり、経営承認の取り方はどうすれば?というテーマには、「僕たちを社長のところに連れて行ってください。一発です。(笑)」などなど、終始笑いの耐えないトークセッションとなりました。

 


■2日間を終えて・・・トランスコスモスの機械学習・AI推進のこれから

 

AIについてだけを学ぶ、という濃厚な二日間はあっという間に終了してしまいました。
トランスコスモスでも、今年度からDMP戦略部という新設部門内に機械学習・AI推進室を設立し、人工知能や機械学習を新サービス開発や社内業務の効率化に活用するための取り組みを開始しています。

DMP戦略部のメンバーも本サミットに参加させていただきましたので、部長である北出 大蔵に参加した感想とともに、これからの意気込みについて聞いてまいりました。

北出 大蔵 (きたで だいぞう)
トランスコスモス株式会社
MCM分析・コンサルティング部 部長
兼トランスコスモス・アナリティクス株式会社
執行役員/主席コンサルタント

 

北出「今回の講師や参加者は皆、ブームに流されAIを過大評価している状況に危機感を持っていて、実際に何に活用し、どんなデータを準備するのかが一番大事だという視点を持っていました。
今回のAI DATA SUMMITでは、IBM WatsonやDataRobotといった最新技術動向や、チャットボットの導入事例が数多く紹介されていました。でも、それ以上にAIに懐疑的な経営層や抵抗勢力への対処方法や、業務知識と分析スキルを兼ね備えたアナリストの育成方法といった、 実際の社内の推進・啓発活動についての議論が活発に交わされていたのが印象的です。
トランスコスモスでも今年からDataRobotの日本全国の業務現場への実装を進めていますが、AI時代の高い要望要請に応えられるような人材育成を実践してまいります。」

トランスコスモスはこれからも、今回のサミットに登壇したAI有識者の方々や、参加したブランド企業様・パートナー様と一緒に、豊かなAI時代を創造していきたいと思います。

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